部下の適正人数って一体何人なんだろう?と思い、調べてみました。
チーム作りはマネージャーの悩みどころ。
私もチームを任されてからは常に四苦八苦しています。
任されているのは2チーム22人。
最初はメンバー全員の育成に直接関ろうとしていました。1対1の面談を頻繁にするとか。
がしかし。
コミュニケーションはとれるようになったものの、チームとしてはまとまらず。主体性もなくなるなど、次第にマイナス面が目立つように…。
その時初めて向き合ったのが
「そもそも部下の適正人数って何人なんだろう?」
「自分が全員と関わることは正しいんだろうか?」
という疑問。
そこで出会ったのが「スパン・オブ・コントロール」という考え方でした。
スパン・オブ・コントロールとは?
スパン・オブ・コントロールは軍隊の組織を編成するときに使われた考え方。それが企業経営にも応用されるようになりました。
スパン・オブ・コントロールについてはグロービス経営大学院のこの説明がわかりやすいです。
Span of Controlとは、マネジャー1人が直接管理している部下の人数や、業務の領域。
引用元:グロービス経営大学院ウェブサイト
一般的な事務職では1人の上司が直接管理できる人数は5~7人程度と言われているが、様々な要因によってspan of controlは左右される。
そういえば超大企業で働いていた上司が
「7人が集まると ” 係 ” になり、係が3つ集まると ” 課 ” になり、課が3つ集まると ” 部 ” になる」
と言ってたっけ。
要は、密にコミュニケーションできるのは多くても7人まで、ということ。
このスパン・オブ・コントロールという考え方、人の話に限らず意外なところでも役立ちます。
スパン・オブ・コントロールを取り入れて感じたメリット
スパン・オブ・コントロールの考え方を知り、さっそく自分のチームに取り入れました。
14人のAチームは、リーダー2名、サブリーダー2名(7人と6人に分けてそれぞれにリーダー1人)。
8人のBチームには、リーダー1名、サブリーダー1名。
私が密にコミュニケーションを取るのはリーダーとサブリーダーの6名のみ。
業務・チーム運営とメンバーの育成は、権限委譲としてリーダーとサブリーダーに一任。
リーダー・サブリーダー以外のメンバーとのコミュニケーションは、日々の声かけやチーム全体のコミュニケーション量を増やす取り組みでカバー。
効果はすぐに出ました。
業務・チーム運営はスピーディーに。
権限委譲されたリーダー・サブリーダーのモチベーションもアップ。
チームのメンバーにも「自分たちが考えて動いていいんだ」という安心感と、「自分がやりたいことをやってみよう」という主体性が見られるように。
権限委譲して任せた分、マネージャーには新しいことに取り組む余裕が生まれます。
一方、スパン・オブ・コントロールのデメリットは…?
いいことづくめに思われたスパン・オブ・コントロールですが、そううまくはいきません。
Aチームのリーダーの一人が、自分が面倒をみるメンバーを囲い込みだしたのです。
メンバーも徐々にそのリーダーに忖度するように。
その雰囲気を嫌うもう一方のリーダーとの間に溝が生まれ、またチームはバラバラ…。
当然、メンバーからは不満の声があがるようになります。
そのたびにそのリーダーと問題点と解決方法を話し合うのですが、数ヶ月もするとまた同じ問題が起こります。
1年たっても改善できず、このままではお互いが不幸になると判断。
上層部に相談のうえ、そのリーダーは他部署へ異動となりました。(異動先の部署では自分の力を発揮できているので結果的に良い異動になりました)
スパン・オブ・コントロールは人数を7人以下にすればいいというわけではなく、権限委譲すればうまくいくものでもありません。
そのリーダー自身の問題もありましたが、階層ができることで、「上層部の意思が伝わりにくくなる」「フラットな関係を目指す組織には馴染みにくい」といった点はデメリットと感じました。
ちなみにそのリーダーが抜けた後のAチーム、うまく回っています。
【スパン・オブ・コントロール】のおわりに
スパン・オブ・コントロールのポイントは権限委譲がセットになっていること。
リーダー育成のきっかけになり、うまくハマればチームが自走し、マネージャーは次の一手を考えることができるようになります。
もちろん取り入れればうまくいくものでもなく、自分のチームにフィットするスパン・オブ・コントロールの方法を試行錯誤して見つける覚悟が必要。
結局マネージャーはチーム作りに苦労するのです笑。
ただ、同じ苦労なら、メンバーが前を向いて楽しく成長を感じる方向に進みたいなと。
スパン・オブ・コントロールについてはこちらの記事が大変参考になるので、ぜひ読んで見てください。
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